初めての一人暮らしや、引っ越しをきっかけに、「オートロックがあるから大丈夫かな」「何を買えば防犯になるのか分からない」と悩む方は多いものです。防犯グッズは種類が豊富で、価格もさまざまなので、目的を決めずに選ぶと、使わないものが増えてしまいがちです。
一人暮らしの防犯グッズ選びで大切なのは、侵入されにくくする、気づきやすくする、困ったときに助けを呼ぶという3つの役割に分けて考えることです。この記事では、警察庁や警視庁が公表している防犯の考え方を手がかりに、玄関・窓・帰宅時・在宅時のグッズの選び方を整理します。賃貸住宅では取り付けられないものもあるため、管理規約や管理会社への確認も含めて解説します。

防犯グッズを選ぶ前に確認したいこと
グッズを買う前に、まず次の3点を確認しましょう。
- 住まいのタイプ:1階か2階以上か、オートロックの有無、ベランダの位置
- 賃貸の規約:穴あけやビス止めの可否、貼り付け用品の原状回復の条件
- 自分の生活パターン:帰宅時間、荷物の受け取り方、在宅・不在の時間帯
警視庁は、オートロックのマンションであっても、室内にいるときもドアに施錠することや、就寝時は2階以上の部屋でも窓を閉めて施錠することを呼びかけています。つまり、グッズを増やすよりも先に、施錠の習慣という土台を整えることが大切です。そのうえで、自分の部屋の弱いところを補う形でグッズを選ぶと無駄が出ません。
- グッズは施錠の習慣を補うもので、代わりにはなりません
- 賃貸では、取り付ける前に管理会社や大家さんへ確認します
- 効果は住環境や使い方で変わり、犯罪を防止できると保証するものではありません
玄関まわりの防犯グッズ
ドア用の補助錠
警視庁の侵入窃盗の防犯対策では、1つのドアに錠が2つ以上あると侵入に時間がかかるため、補助錠の取り付けが勧められています。賃貸でも使えるように、ドアの内側に貼り付けるタイプや、ドアの隙間に差し込むタイプなど、工事が不要な製品も販売されています。ただし、ドアの形状によっては取り付けられないことがあるため、購入前に対応するドアの種類や厚みを製品ページで確認してください。
ドアチェーン・ドアスコープの活用
訪問者をドアを開けずに確認する習慣は、住まいる防犯110番でも勧められています。ドアスコープやインターホン越しに相手を確認し、不審に感じたらドアを開けないことが基本です。ドアスコープが小さくて見づらい場合は、カメラ付きインターホンの後付けタイプを検討する方法もありますが、賃貸では取り付けの可否を管理会社に確認しましょう。
宅配ボックスと置き配
荷物の受け取りは、玄関を開ける機会が多くなる場面です。警察庁と宅配事業者は、宅配事業者を装った強盗等の対策として、非対面での荷物の受け取りを希望する場合はインターフォン等を通じて意向を伝えるよう周知しています。折りたたみ式の簡易宅配ボックスなど、受け取りの形を整える製品もありますが、荷物が玄関前に残る場合は盗難に注意し、置き場所は管理規約で確認しましょう。

窓・ベランダまわりの防犯グッズ
窓用の補助錠
窓は、侵入の入り口になりやすい場所です。警視庁はサッシに補助錠を取り付けることを勧めています。サッシ用の窓補助錠は、ねじ止めタイプのほか、貼り付けて固定するタイプもあり、賃貸でも使いやすい製品があります。引き違い窓のサッシの形やレールの幅に合っているかが選ぶポイントです。
防犯フィルム
窓ガラスに貼るウィンドウフィルムも、警視庁が防犯対策として紹介しています。ガラスを割られても破るまでの時間をかせぎやすくするという考え方の対策です。専門の施工業者に貼ってもらうのが効果的とされています。賃貸の場合は、貼ることが可能か、はがすときの原状回復はどうなるかを管理会社に確認しましょう。
窓・ドアの開閉アラーム
開閉を検知して音で知らせる窓・ドア用の開閉センサー付きアラームは、設置の手間が少なく、在宅時にも使いやすいグッズです。音が鳴ることで気づきやすくなり、侵入をためらわせる効果が期待されます。電池式のものは、電池残量を定期的に確認しておきましょう。
ベランダに置くもの
ベランダは、脚立やポリバケツなど足場になるものを置かないことが大切です。警視庁も、足場になるようなものは置いておかないよう呼びかけています。外から室内の様子や在宅状況が分かりやすい干し方も見直してみましょう。
帰宅時・外出時に持ち歩きたいグッズ
警視庁は、夜道では人通りの多い道や明るい道を歩くこと、スマートフォンを操作しながらや音楽を聴きながらの「ながら歩き」は周囲の状況が分かりにくくなるのでやめることを呼びかけています。後をつけられているなど不安なときは、近くのコンビニエンスストアなどに逃げ込んで助けを求めるか、110番通報をするよう案内されています。
防犯ブザー
持ち歩きの防犯グッズでよく知られているのが防犯ブザーです。すぐ取り出せる位置に付けておくことと、鳴らし方を事前に確認しておくことが大切です。かばんの奥にしまうと、とっさに使えません。電池の交換時期やテスト方法は、製品の説明書で確認しておきましょう。警視庁の防犯アプリ「デジポリス」にも防犯ブザー機能があり、スマートフォンですぐ使えるよう手に持って歩く工夫が紹介されています。
ライト付きキーホルダー
夜間の鍵穴の確認に使える小型のLEDライト付きキーホルダーも便利です。玄関前でもたつく時間が減るため、周囲を確認する余裕も生まれます。
防犯グッズを持っているからといって、危険な場所に近づく理由にはなりません。不安を感じたら、グッズに頼る前に明るい場所や人のいる場所へ移動し、必要なら110番通報をしてください。
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在宅時・室内の防犯グッズ
在宅中でも、玄関と窓の施錠は基本です。人感センサー付きのライトは、屋外や玄関先の暗がりを減らし、近づく人に気づきやすくします。警視庁も、人の動きを感知して点灯するセンサー付きライトを、死角になる場所に設置するのが効果的としています。屋外に設置する場合は、集合住宅では共用部分のため、管理会社の許可が必要になることがあります。
防犯カメラや見守りカメラを自宅に置く場合は、他人の敷地や共用廊下、隣の窓が映らないよう配慮する必要があります。賃貸では、取り付けの可否や映してよい範囲について、管理会社や管理規約を確認してください。

情報を出しすぎない習慣
グッズだけでなく、日頃の習慣も防犯の一部です。住まいる防犯110番では、合鍵の不正作製を防ぐため、鍵を家族以外の必要のない人には「見せない」「渡さない」、写真や動画で「写さない」ことが勧められています。一人暮らしでは、次のような点にも気を配ると安心です。
- 鍵を写した写真を、SNSなどに載せない
- 電話などで在宅状況や家族の状況を聞かれても答えない
- 郵便物や荷物をためない(不在が分かりやすくなる)
- 不審な訪問者には、ドアを開けずに対応する
購入前に見ておきたいチェックポイント
防犯グッズは、パッケージの説明だけで選ぶと、実際の部屋に合わないことがあります。購入前に、次の点を確かめてください。
- サイズと対応する形状:窓のサッシ幅やドアの厚みに合っているか。製品ページの対応表で確認します
- 取り付け方法:ねじ止め、貼り付け、差し込みのどれか。賃貸では原状回復できる方法を選びます
- 電源と電池:電池式か充電式か、交換や充電の手間が続けられるか
- 音の大きさ:アラームやブザーの音量は、周囲の環境や集合住宅での近隣への配慮も考えて選びます
- 操作のしやすさ:急いでいるときでも、迷わず使えるか
なお、防犯性能の高い建物部品(CP部品)は、警察庁等の関係省庁と民間団体による官民合同会議の試験で、一定の防犯性能があると認定された部品です。窓の錠や防犯ガラスなど、本格的に見直したい場合は、CPマークのある部品も選択肢になりますが、賃貸では交換できるのは管理会社や大家さんの許可がある場合に限られます。自分で付けられるグッズと、管理会社に相談が必要な設備を分けて考えると、判断しやすくなります。

また、ゴミを出すときは、宅配伝票や郵便物の宛名など、氏名や住所が分かる部分を個人情報保護スタンプで隠すか、シュレッダーにかけてから処分するのも、情報を出しすぎない習慣の一つです。
よくある質問
Q. 賃貸で穴をあけずに使える防犯グッズはありますか?
貼り付けタイプの補助錠、差し込み式のドアストッパー型アラーム、置くだけのセンサーライトなど、工事不要の製品があります。取り付け可否は住戸のドア・窓の形状でも変わるため、購入前に対応サイズを確認し、管理会社にも相談しておくと安心です。
Q. 防犯グッズはいくつ必要ですか?
数に決まりはありません。自分の部屋の弱いところを補うために、補助錠、窓のロック、防犯ブザーなど、必要なものから優先順位をつけて選びましょう。
Q. 不安を感じたときはどうすればよいですか?
警視庁は、後をつけられているなど不安なときは、近くのコンビニエンスストアなどに逃げ込んで助けを求めるか、110番通報をするよう案内しています。また、被害や不安についての相談は、最寄りの警察署の生活安全課でも受け付けています。
まとめ
一人暮らしの防犯グッズは、玄関・窓・帰宅時・在宅時の場面ごとに、自分の部屋の弱いところを補う形で選ぶのが基本です。補助錠、窓の防犯フィルムやアラーム、センサーライト、防犯ブザーなどは、それぞれ役割が違います。賃貸では取り付けの可否を管理会社に確認し、施錠の習慣や情報を出しすぎない工夫とあわせて使いましょう。グッズは万能ではないため、不安を感じたときは、110番や警察署の窓口への相談をためらわないでください。
参考:警視庁「侵入窃盗の防犯対策」/警視庁「痴漢等の性犯罪被害防止対策」/警察庁「住まいる防犯110番」
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